虎のつぶやき
エミール2
2023/09/01(金) 09:22:00
前回の続きです。
貴族の子どものエミール君は低学年くらいの年になりました。
立派な服を着て町に出かけると、ほめられることもあります。
エミール君は偉くなった気持ちになって鼻高々としています。
しかし、同じ年くらいの子どもに会ったらどうでしょう。
その身なりでほめられることはありません。
むしろ馬鹿にされます。
では子どもにとって賞賛に値することとはなんでしょう。
それは足が速いことです。
かけっこをしてもエミール君は一番になれません。
悔しい思いをして家庭教師のルソーにこう尋ねます。
「かけっこで一番になりたい!どうしたらいい?」
ルソーは走り方をエミール君に教えます。
自ら学ぶことを望むエミール君は徐々に速く走れるようになります。
何度もかけっこ対決をした末に一番になり、町の子どもたちから賞賛されたのです。
人間の価値は身分や見た目で決まることはありません。
ルソーがなぜ貴族の子どもを想定したかというと、貧乏人の子どもはそのままでも人間になるが、
貴族の子どもは教育しないと人間にならないからだそうです。
ネットの普及により、遠い誰かの良いところをみて羨むことが多くなったように思われます。
つまり、全く関係のない人を「身なり」で判断する機会が増えました。
月収1億の人がこれ見よがしに自慢をして、それに憧れたり嫉妬したりします。
しかし、そこに本質があるのでしょうか。
収入の多さで人の価値は決まりません。
何をしたか、どんな夢を持っているかではないでしょうか。
なるほど、現実はそうではないといいたいのでしょう。しかし、その現実は一つの見方でしかないこともまた事実だと思います。
今のように便利な道具のない時代に生きたルソーです。貧困や飢餓も現代の比にならないくらいひどい時代です。それでも貴族階級の醜さを見抜いたルソーがいかに先進的であったかを伺えます。
画面からではなく、等身大の自分と他人を比較してみてください。
恐らくあなたはそこまで卑下すべき存在ではありませんし、思ったよりも相手は自分と変わりません。
すごい人だと思えたならそれは幸運。学びを得られる好機です。これもまた一つの見方です。
別の判断ができる以上、絶対的な価値判断など存在しえないのでしょう。
このように18世紀の著書なのにもかかわらず現代社会を生きるヒントをくれるのが「エミール」です。
長くなりましたので、続きは次回とします。
次回予告 歴史を学ぶ意義
貴族の子どものエミール君は低学年くらいの年になりました。
立派な服を着て町に出かけると、ほめられることもあります。
エミール君は偉くなった気持ちになって鼻高々としています。
しかし、同じ年くらいの子どもに会ったらどうでしょう。
その身なりでほめられることはありません。
むしろ馬鹿にされます。
では子どもにとって賞賛に値することとはなんでしょう。
それは足が速いことです。
かけっこをしてもエミール君は一番になれません。
悔しい思いをして家庭教師のルソーにこう尋ねます。
「かけっこで一番になりたい!どうしたらいい?」
ルソーは走り方をエミール君に教えます。
自ら学ぶことを望むエミール君は徐々に速く走れるようになります。
何度もかけっこ対決をした末に一番になり、町の子どもたちから賞賛されたのです。
人間の価値は身分や見た目で決まることはありません。
ルソーがなぜ貴族の子どもを想定したかというと、貧乏人の子どもはそのままでも人間になるが、
貴族の子どもは教育しないと人間にならないからだそうです。
ネットの普及により、遠い誰かの良いところをみて羨むことが多くなったように思われます。
つまり、全く関係のない人を「身なり」で判断する機会が増えました。
月収1億の人がこれ見よがしに自慢をして、それに憧れたり嫉妬したりします。
しかし、そこに本質があるのでしょうか。
収入の多さで人の価値は決まりません。
何をしたか、どんな夢を持っているかではないでしょうか。
なるほど、現実はそうではないといいたいのでしょう。しかし、その現実は一つの見方でしかないこともまた事実だと思います。
今のように便利な道具のない時代に生きたルソーです。貧困や飢餓も現代の比にならないくらいひどい時代です。それでも貴族階級の醜さを見抜いたルソーがいかに先進的であったかを伺えます。
画面からではなく、等身大の自分と他人を比較してみてください。
恐らくあなたはそこまで卑下すべき存在ではありませんし、思ったよりも相手は自分と変わりません。
すごい人だと思えたならそれは幸運。学びを得られる好機です。これもまた一つの見方です。
別の判断ができる以上、絶対的な価値判断など存在しえないのでしょう。
このように18世紀の著書なのにもかかわらず現代社会を生きるヒントをくれるのが「エミール」です。
長くなりましたので、続きは次回とします。
次回予告 歴史を学ぶ意義