虎のつぶやき
エミール3
2023/09/03(日) 09:39:00
前回からの続きです。

エミール君は15歳になりました。いよいよ歴史を学ぶ年齢になりました。
歴史を学ぶ意義は何かというと、他人の人生や普通では経験できないことを
学ぶことにより教訓を得るためです。
これを理解するにはある程度年齢を重ねる必要であるので15歳くらいから
学ぶのがちょうどいいとルソーは述べております。
エミール君はローマ帝国についても勉強します。
皇帝の人生がどのようなものであったかをしり、地位が高いからといって
幸せであるとは限らないと知ります。

歴史は繰り返されるとよく言ったもので戦争は今も続いてます。
西ドイツのワイツゼッカー元大統領は連邦議会で次のような演説をしています。
「過去に盲目である者は、現在にもまた盲目になる」
歴史を学ぶ必要性を一言に要約するとこうなると思います。
身近な問題も大体は似たような悩みを抱えた人が過去にいて、その人の
やり方を参考にすればうまくいくことも多分にあります。
FACT FULLNESS(ファクトフルネス)という本をご存じでしょうか。
世界は良くなってきているという内容の本です。
人類史上ここまで豊かな時代はほかにありません。
豊富な資源と歴史という財産を活用すれば、できないことはないでしょう。

人間の失敗する理由の一つに虚栄心があります。
ルソーは「エミール」の中で何度も虚栄心について語っています。
見栄をはってもいいことはないのです。18世紀だろうが21世紀だろうが変わりません。
私が、自分が悪かったと理解すれば謝れるようになったのはルソーのおかげです。
ルソーという過去に学んだのです。


「エミール」についてはこの辺で終わりにします。
興味のあるかたは是非読んでみてください。

次回予告
カールマルクス 「資本論」