虎のつぶやき
カール・マルクス「資本論」
2023/09/12(火) 09:49:00
本日は予告通りにマルクスの資本論の内容を紹介します。
ものすごく長いのですべてを紹介することは出来かねますが、
重要なところを例を挙げて解説していきます。

L社のチョコレート工場があるとします。そこでは一つ100円でチョコレートを売っているとします。
一つ売れると労働者に50円、資本家に50円入るとします。
でもM社のチョコレートは90円で販売しているとしたら、L社の商品は売れなくなります。
よってL社は80円で販売を開始します。
資本家は自分の取り分を減らしたくないので、労働者に30円しか賃金を払わなくなります。
労働者は消費者でもあるわけですから、以前よりも買い物がしずらくなります。
こうなっていくと安い商品しか売れなくなるのですから、価格競争がさらに激しくなります。
ここにデフレスパイラルが起きます。
労働者の賃金はなかなか上がらず、それどころか減っていく一方です。
しかし、資本家は以前と同様に富を蓄積していきます。
ここに貧富の差が生まれる原因があるとしたのが「資本論」です。
労働者のこのような状況を「疎外」と表現しています。超重要ワードなのでこれを機に覚えてくださいね。

このように、資本主義では限界があるから社会主義に移行しようと主張しているのです。
実際はソビエトも崩壊しましたし、社会主義にもたくさん問題がありました。
トマ・ピケティの「21世紀の資本論」はそれも踏まえて新しい資本主義を提唱しましたね。

現代日本にも通じるところがあるように思われます。
最近では増税が取り沙汰されています。
国家による国民の「疎外」といったところでしょう。
現状を変えたければ会社は転職すればいいですし、国家は選挙によって方針を変えることができます。
自分で出馬してもいいと思います。
失われた30年を超克する日が待ち遠しいです。

次回予告
アダム・スミスの自由主義