虎のつぶやき
国民国家~20世紀末の悲劇~
2023/09/29(金) 09:41:00
最近教養を深める内容ばかりになっておりますが、ご容赦ください。
本日は今を生きる上で知っておかねばならない内容にします。
国民国家が何かというと、英語のNationの訳語です。
辞書を引くと、国家、国民国家と書かれています。
この二つの言葉の意味の違いは何でしょう。
国家はそのままの意味です。国という意味ですね。
国民国家はさらに深い意味があります。
簡単に言うと一つの言語を使い、一つの民族で構成されている、一つの国家のことです。
これはよくあることですか?全くそうではありません。
ベネディクト・アンダーソンは「空想の共同体」と述べております。
例えば日本。一つの民族で構成された国家ですか?
北海道にはアイヌ民族がいます。沖縄には琉球王国がありました。
日本も多民族国家です。世界中に単一民族国家はごくわずかしかありません。
しかし、ヨーロッパでは一つの民族で国家は構成されるべきという考え方があります。
それがユーゴスラビアで悲劇を起こすことになります。
バルカン半島は昔から紛争の多い地域です。色んな民族が同じ国の中で
生活していることや、オスマン帝国やオーストリア=ハンガリー帝国の支配を受けてきた歴史もあるからです。
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国のなかで大きな勢力を持っていたセルビアが、コソボを併合しようとします。連邦制の中で一つの自治州(国家)として独立していたコソボにとって、受け入れがたいものでありました。なぜなら国民国家であることを望むからです。そして起きたのが民族紛争なのですが、その実態があまりに悲惨なのです。
民族浄化という言葉をご存知でしょうか。
例えばAという民族とBという民族がいます。
AがBの男性を皆殺しにして、Bの女性にAとの間にできた子どもだけを
妊娠、出産させます。そうすれば、民族Bはいなくなる。
これが民族浄化です。考えるだけで恐ろしい、狂気を超えた狂気。
これが20世紀末のヨーロッパに実在した思想です。
言うまでもなく多くの犠牲者を出しました。
たかだか30年くらい前の話です。今は昔ではありません。
この事実を知る義務が我々にはあります。
次回予告
デカルト二元論~世俗化の過程~
本日は今を生きる上で知っておかねばならない内容にします。
国民国家が何かというと、英語のNationの訳語です。
辞書を引くと、国家、国民国家と書かれています。
この二つの言葉の意味の違いは何でしょう。
国家はそのままの意味です。国という意味ですね。
国民国家はさらに深い意味があります。
簡単に言うと一つの言語を使い、一つの民族で構成されている、一つの国家のことです。
これはよくあることですか?全くそうではありません。
ベネディクト・アンダーソンは「空想の共同体」と述べております。
例えば日本。一つの民族で構成された国家ですか?
北海道にはアイヌ民族がいます。沖縄には琉球王国がありました。
日本も多民族国家です。世界中に単一民族国家はごくわずかしかありません。
しかし、ヨーロッパでは一つの民族で国家は構成されるべきという考え方があります。
それがユーゴスラビアで悲劇を起こすことになります。
バルカン半島は昔から紛争の多い地域です。色んな民族が同じ国の中で
生活していることや、オスマン帝国やオーストリア=ハンガリー帝国の支配を受けてきた歴史もあるからです。
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国のなかで大きな勢力を持っていたセルビアが、コソボを併合しようとします。連邦制の中で一つの自治州(国家)として独立していたコソボにとって、受け入れがたいものでありました。なぜなら国民国家であることを望むからです。そして起きたのが民族紛争なのですが、その実態があまりに悲惨なのです。
民族浄化という言葉をご存知でしょうか。
例えばAという民族とBという民族がいます。
AがBの男性を皆殺しにして、Bの女性にAとの間にできた子どもだけを
妊娠、出産させます。そうすれば、民族Bはいなくなる。
これが民族浄化です。考えるだけで恐ろしい、狂気を超えた狂気。
これが20世紀末のヨーロッパに実在した思想です。
言うまでもなく多くの犠牲者を出しました。
たかだか30年くらい前の話です。今は昔ではありません。
この事実を知る義務が我々にはあります。
次回予告
デカルト二元論~世俗化の過程~