虎のつぶやき
日本庭園とガーデニング~東西の庭の違い~
2024/02/10(土) 09:50:00
日本には龍安寺石庭など美しい庭園がたくさんあります。
西洋にもガーデニングという文化があります。
どちらも甲乙つけがたいですが、両者には決定的な違いがあります。

ガーデニングは木をきれいに切り、ベルサイユ宮殿にみられるように
バラが法則性をもって咲いていて、芝が広がっています。
人間の理想の形に草木を作りあげるのです。
つまり、自然を支配して出来上がったものです。

日本庭園も、もちろん人の手が加えられます。
しかし、石の配置や苔、木々のあり方は人工的
というより自然な雰囲気があります。
季節ごとに全く違う味わいがあり、落ち葉でさえ
美しさがあります。
自然との調和がそこにはあるのです。
和室から見た庭園は、一期一会の絵画のようです。
雪が降り、草木が枯れていく中にも美しさのある、
わびさびが表現されております。

このような美意識は西洋にはない、日本独自のものです。
春に咲いた花が希望をもたらすのです。
飛び回る虫の声が生命力を感じさせるのです。
落ち葉が儚さを見せてくれるのです。
凍った池と裸になった木々が、終わりと次の始まりを教えてくれます。

日本庭園の美しさは、すべてをただちに理解できるものではなく
時間の経過とともに深まるのです。
まるで人間のようだとはおもいませんか。

次回予告 利休七則