TOPインタビュー
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最初に地盤改良業界について教えてください。
地盤改良の業界は、1995年に発生した阪神・淡路大震災以降から拡大してきました、まだ新しい業界です。震災以前はほとんどの土地で地盤調査及び改良補強工事が行われておらず、震災の影響で「不同沈下」という、地盤のゆがみなどにより建物が傾く(地中に沈む)現象が多発しました。それまでは住宅に保険・保証をかけることは当たり前でも、地盤に掛ける保険・保証というものがありませんでしたが、震災をきっかけに地盤にも保険・保証を作ろうという動きが一気に加速致しました。地盤改良の業界では地盤保証会社と我々のような地盤調査や改良補強工事を行う企業との信頼関係が非常に重要となります。実際の保証は地盤保証会社が責を負う事になりますので、地盤調査や改良補強工事を行う企業は全面的にリスクを負うことはありません。だからこそ、地盤保証会社から安心してお仕事を依頼していただけるように、信頼の確保を念頭に企業経営を行っております。
なぜ地盤改良の業界に進出しようと思われたのですか。
当社はもともと建設事業などで使う移動式クレーンを扱う会社でした。クレーン事業をメインに事業拡大を考えた時に、いくら台数を増やしてエリアを拡大しても、限界があると感じていました。当時は常に会社の発展を考えながら、現場で作業を行っていました。そんな中でたまたま地盤改良に関わる機会に出会えました。土地に杭を打ち込んでいくと固いところに届いたことがはっきりと分かって、「こういう仕事をきっちりとやることで、傾かない家を建てることができる」とこの仕事に対して誇りと責任のようなものを感じたのを覚えています。この現場での体感をきっかけに、事業拡大していくなら地盤改良の業界だと覚悟が固まりました。
全国展開されていても伊東に本社を置き続けているのはなぜでしょうか。
これまでも多くの方から「本社を東京に移した方がいいよ」と言われましたが、生まれ故郷である伊東に本社を置き続けてきました。伊東のある伊豆半島は「島国」なんて呼ばれるくらいエリア外に出ていかない性質の方が多い場所ですが、敢えてそこで全国展開している企業を構えることに意味があると思っています。事業を拡大して町の財政を潤すこと、伊東の人たちが当社で生き生きと働いてくれることで、町を盛り上げたいという気持ちが強いです。事業以外の部分でも、町を盛り上げる取り組みを行っています。伊東では毎年夏に「按針祭」というお祭りがあるのですが、ラストを飾る大きな打ち上げ花火を当社の協賛で上げています。他にも「アートフォースジャパンチャレンジカップ」というゴルフ大会を地元のゴルフ場で開催しました。このような取り組みに、若い人たちを巻き込んでいくことも、地域活性活動のひとつですね。かつての伊東は、地元の方々がホテルや旅館などを始め、多くの方が観光の仕事に携わり多くの方々が伊東に訪れ賑わっている町でした。ですが、最近では観光客が激減し、ホテルや旅館が倒産したり東京の会社に買収されたり、町がどんどん衰退していくのを身をもって体感しています。生まれ育った町なので、かつての活気を取り戻してほしいと思っています。
上場されて更にチャレンジしたいことがあれば教えてください。
おかげさまで、当社は2020年10月21日に株式会社東京証券取引所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:宮原 幸一郎)TOKYO PRO Marketに株式を上場しました。伊東で生まれ育った企業で上場できたのは誇りですし、この業界で上場している企業は非常に珍しいと思います。上場企業であるということは、業績が安定していることはもちろんですが、労務や給与などの働く環境が整備されているということでもあります。雇用をする立場として、社会的責任を課されているという、良い意味での緊張感となっています。働き方や給与がここまで安定しているのは業界内では珍しいと思います。特に給与体系についてはこだわりを持っていて、稼働日の変動により給与に影響が出ないような仕組みを作っています。実際に、当社を一度退職しても「やっぱり当社の方が安定しているから」等の理由で、再び入社してくる社員もいるくらいです。今後はスタンダート市場への市場変更も視野にいれて、さらなる事業拡大を目指していきます。その為には、働く社員の雇用や生活を守り、ひとりひとりの成長に投資することで、「従業員を物心共に満たしていく」会社経営を行なっていきたいと思っています。
今後は事業内容も変わっていくのでしょうか。
今後の展望としては、新たな技術として「測量技術」の事業開発を行っていきたいです。また、積極的にM&Aも行う事で、専門的な知識や技術を取り入れながら、我々のメインである地盤改良事業をより拡大していきたいと思います。日本は地震大国です。震災に耐えうる国にしていく為には、地盤改良分野は非常に重要な役割を担っています。地盤改良のエキスパートとして、この国の都市・暮らし・人の安全を守っていくことが当社の使命だと思っています。
どんな方に入社してもらいたいとお考えですか。
よく採用担当とも話をするのですが、「出来る人」に来てほしいとは思っていません。「真面目な人」に来てほしいですね。地盤改良の仕事は、実際に建物が建ってしまうと見えなくなってしまう仕事です。更に言うと「何も起こらない」ことが一番の価値です。成果が見えにくい仕事だからこそ「誰がその仕事をしたのか」が大事だと考えています。「アートフォースの社員さんがやってくれたなら安心だね」と言われるような仕事をしていきたいですね。そんな見えないところでも、真面目にコツコツと誠実な仕事をしてくれるような方が必要です。協力会社の社員の皆様にも当社の理念をご理解頂き共に頑張っています。また、先にもお話した通り、今後も積極的にM&Aを行っていく予定です。関係会社が増えていく中では、私と同じ視点で会社組織全体を見ながら、子会社の管理を任せることができるような方も必要になってゆきます。今でも実際に、子会社に出向してもらい、新しい知識や技術を身に着けてもらっている社員もいます。常に挑戦を通し成長しながら、一緒に会社の未来を作っていく気持ちのある方にも入社していただきたいですね。
最後に応募を検討されている方にメッセージをおねがいします。
転職をするというのは勇気がいることかと思いますが、恐れずに当社へ飛び込んでくだされば必ず大成させるとお約束します。特に未経験の方や異業種の方は未知の世界に躊躇するかもしれませんが、当社ではしっかりと教育して成長できる土壌が整っていますので、安心して現場で活躍いただけると思います。優秀さはいりません。真面目にコツコツと頑張ってくださる方のご応募をお待ちしています。