社員インタビュー
斉藤優介
地盤調査課所属 調査員
入社年2019年
年齢31歳(2022年現在)
エリア本社ブロック(沼津・静岡)
お仕事の内容を簡単に教えてください。
地盤調査を担当しています。建物を建てる際に地盤の地耐力を測っておかないと建物の不同沈下の原因になるので、その為に地耐力を見ていくという仕事です。基本的には新たに小規模建築物を造る際に調査をさせていただいております。
地盤調査の仕事は大きく分けて、「現場での仕事」と「会社に戻ってきてからの報告書作成の仕事」に分かれています。現場では総重量150キロほどの非常に重たい調査機をけん引して動かしながら、土地に金属のスクリューロッドを挿して調査をしていきます。また、現場での情報収集も調査のひとつです。他の方法で試験をしている業者の方や、解体業者の方がいたりする場合は積極的に話し掛けて、地盤について別視点からの情報をもらえます。また近所のご年配の方に過去のお話を伺うと「ここは田んぼだった」「ここは山だった」など、その土地の過去の姿を伺うことができて、これが結構大事な情報になるんです。
調査機での調査結果と現地調査で得た情報を会社に持ち帰り、PCを使って収集した情報をチェックリストに入力し「調査位置図」というちょっとした図面を作り上げていきます。
お仕事の日はどのようなスケジュールで動かれていますか。
基本的には日中に現場に出て、終わってから会社に戻り事務仕事を進めています。1日に1~2件・月に20~30件程度の調査を行っています。調査の終了条件を満たさないと調査を終えられないのですが、現場によって状況が全く異なるので所要時間にはかなり違いが出ます。現場の所要時間が長くなればなるほど、事務仕事で扱う情報も多くなるので大変になりますね。一応、前日には現地のデータを基にして調査の所要時間予測を立てるのですが、予想と大きくずれてしまう時もあります。

<ある日のスケジュール>
7時:自宅から現場へ出発
8時:1件目の現場到着・準備・調査開始
11時:調査終了・片付け
12時:お昼休憩
13時:2件目の現場到着・準備・調査開始
15時:調査終了・片付け
16時:帰社・事務仕事スタート
ご入社される前もこのようなお仕事をされていたのですか。
学生時代は東京で服飾の専門学校に通っていて、卒業後はアパレルショップで働いていました。伊東に帰らなければならない事情があり、戻ってきてからはペットショップでの販売員やビルメンテナンスの仕事をしていましたね。そこから、今の仕事を友人であった同僚に紹介してもらいました。
友人から仕事の話を聞いていたので、地盤調査の仕事にはもともと興味がありました。今までは接客をして物を売る仕事で、目の前のお客様に喜んでもらうことに達成感を感じてはいたのですが、一方で成果が残らず消費されていってしまうことに寂しさも感じていました。洋服はいずれはゴミになりますし、建物はいずれ壊れてしまう。けれど、地盤調査の仕事であればデータが残り、蓄積されていくことで、歴史を作っていける。それが社会貢献に繋がっていく。そんなところが、今までやっていた仕事とは180度違い、面白いなと思ってチャレンジしてみることにしました。
未経験で全く知らない世界へ飛び込むことに不安はなかったですか。
最初はとても不安でした。話を聞いている分には面白そうな仕事だと思いましたが、実際にやってみると、やることが多い、覚えることが多い、と大変なことばかりでした。特に最初は現場での作業がきつかったです。最初にも少し話しましたが、現場で使っている調査機は150キロくらいの重さがあり、これを手でけん引しながら調査をしていきます。現場も広さが十分に取れなかったり、地面も平らではなく斜面だったり、時には山の中なんてこともあります。そんな中で調査機を扱うのはかなりの体力仕事でした。
やっと力仕事に慣れてきたら、今度は頭を使うことが多く戸惑いました。経験がないので、専門用語が一切分からず、覚えないと周りが何を話しているかも分からない。大量の専門用語を覚えることに必死でした。
ですが、覚えていくと分かることが増えてきて一気に仕事が楽しくなりました。地盤調査の仕事は色々なことが予想できるようになるととても楽しいです。例えば、過去に土砂災害や洪水などが起きた情報がある土地を調査すると、予想通りの場所でその反応が出たりする。そうやって、覚えた知識と現場での実践をつなぎ合わせながら、仕事を覚えていきました。
入社当初は乗り越えられるか不安でしたが、3ヶ月くらい経ったときに、すっと色々なことが分かるようになったタイミングがあったんですよね。しんどくても頑張って乗り越えたら、そこから先は色々なことをどんどん覚えて実践できるようになっていくと思います。
知らないことだらけの中でどのように知識や技術を身に着けていかれましたか。
この仕事を紹介してくれた友人がコーチとして付き添って指導してくれました。厳しい一面もありましたが、かなり丁寧に基礎からひとつずつ説明をしてくれたと思います。
過去にビルメンテナンスの仕事で重いものを扱う仕事をしていたので、調査機の扱いには2週間ほどで慣れました。そこから現場のことを一通り覚えるには3ヶ月くらいかかりましたね。その後はひとりで現場に出るのですが、やっぱり最初は完璧にはできません。調査機での調査は回転数や加重状況などのデータを出してくれますが、それに加えて音・標高・現地調査の情報などを踏まえて多角的に判断をしていかなければいけません。これにはやっぱり経験や知識が必要になるので、最終的にはもっとプロフェッショナルな人に確認してもらうこともあります。こうやってプロフェッショナルの人と話し合ったり、教えてもらったりしながら少しづつ経験を積んで、出来るようになってきたと思います。
このお仕事の醍醐味や楽しさはどんなところですか。
事前に現場の情報だけを見て「大体このくらい掘ると砂が出てきて、その後3mで終わるかな」みたいな予測を立てるのですが、それが実際の現場でピタッと合う時はとても気持ちがよいですね。この予測を当てる為には、色々な知識や経験値が自分の中に蓄積されていくことが必要だと思います。私の場合はまだまだ百発百中というわけにはいきませんが、先輩方の中には毎回的中させられる人もいらっしゃいますよ。この仕事を長く続ければ、それだけ経験としてデータが蓄積されていき、精度も高まっていくと思います。
他には、施主の方から感謝をされたり、近所の方が話しかけてくださることが嬉しいですね。現場での調査は基本的にはひとりでやっているので、結構寂しかったりするのですが、声をかけていただけるのはありがたいです。地盤調査って一般的にはあまり知られていない仕事なので、興味を持っていただけて「面白そう!」と言ってもらえるとテンションが上がります。
現在は新人研修のご担当もされているとのことですが、どのようなことをしているか教えてください。
1対1で一緒に仕事をしながら、基本的な仕事をひとつずつ教えています。まずは調査機の重さに慣れてもらう所から始めて、やりながら色々なことを解説していきます。最初は自分が何をやっているのか全然分からないと思います。「何故これをやると地面の強さが分かるのか?」とか「何の為に高低差を測っているのか?」とか。そこが分からないと仕事が面白くないので、実際の仕事をしながら、その目的や因果関係を説明するようにしています。
知識や技術を覚えることの他に、指導をする上で大事にしていることがあります。現場での仕事に苦手意識を持たないように、怒ったり批判したりせず、ひとつひとつ丁寧に分かるまで説明することです。ひとりで現場に出るようになった時、苦手意識があると、分からなくても人に聞くことができなかったり、分からないまま進めてしまったりすることがあると思います。そうすると最終的にお客様に迷惑をかけてしまうことになるので、そのようなことが起こらないように意識をして指導しています。自分もそうしてもらったので、後輩にも「分からない時に人の力をかりる」ことができるようになってもらいたいと思っています。
今後チャレンジしていきたいことなどあれば教えてください。
地盤調査のプロフェッショナルになっていきたいですね。ひとりで現場に出始めてすぐの頃に、現場で分からないことがあって課長に電話で相談をしたんです。拙い口頭の説明だけだったのに、全てを理解してくれて「もう少し掘ってみたら●●が出てくると思うよ」と言われて、その通りにしてみたら的中したんです。これにはとても感動しました。地図とかロケーション見るだけで、中の事までわかっちゃうレベルになりたいと思っています。
その為には、現場の経験を積むことはもちろんですが、それだけでは補えない知識を勉強していく必要もあります。参考書を読んだり、研修に参加したりして、新しい調査方法を覚えて知識を増やしているところです。今は分からないが故に、悩んだり追加調査をしたりすることが多いのですが、知識で補うことができれば、最短ルートで正解にたどり着けるようになると思います。
また、今後は会社の戦略として測量技術を取り入れていく予定なのですが、この静岡県東部・伊豆地区の代表として測量技術を学ぶ研修に参加をさせてもらっています。測量技術を活かすことができたら、今までより効率的に高品質のアウトプットを出すことが出来るようになります。現在はまだ研修段階なのですが、早く現場で活かせるようにしっかりと学んでいきたいです。
最後に応募を検討されている方にメッセージをおねがいします。
現場仕事は体力勝負なので、体力に自信がある人は大歓迎です。また、新しい知識や技術を柔軟に受け入れられる方、好奇心が強い方にも向いているお仕事だと思います。専門的な内容が多いので、最初は分からずくじけそうになるかもしれませんが、それで当たり前なので、諦めずに一緒に頑張っていけるといいなと思います。なにより、自分自身も勉強が得意なタイプではなかったですが、それでもここまで成長することができたので、チャレンジしたい思いがある方であれば、サポートをしたいです!
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