ソフト開発リーダー
開発メンバの一体感が祭りのような高揚感を生み、完成に向けて突き進む力となる。
ソフト開発リーダー(アーキテクト)
松村 晋吾
「まず3カ月」が15年以上に。 その原動力は『情報共有』にあり。
ソフト開発リーダーとしてデジタル顕微鏡の画像・動画処理ライブラリの設計・開発を担当する松村は、キーエンスで働きはじめてから15年が経過した。前職は、ゲームソフトメーカーで3Dデータの当たり判定関連のエンジニア。「数式を用いた技術でスピードと精度の戦いを展開していました」と語る松村が、キーエンスに入社したきっかけは高校の同窓会。「同期の友人がキーエンスの営業で、『理系プログラマーの松村ならできるよ』と薦めてくれたんです。入社前のキーエンスに対する印象は「技術力がある反面、仕事は厳しい」というものだったが、まず3カ月頑張ろうと思い入社を決めた。

入社してみると、不安が杞憂であることにすぐ気づいた。「確かに仕事は厳しいですが、開発メンバ全員が付加価値の高い商品という結果を出す重要性を理解しており、商品開発に貢献した人が凄いという考え方が浸透しています。キーエンスの技術職で活躍するには『情報共有』と称される『人を巻き込む力』が必要だと感じます」と松村。結果の重要性を理解する人が集まっているため『情報共有』を強く求められ、状況に応じた仕事配分も積極的に行われている。
皆でひとつの商品を作りあげる高揚感こそ、 大きなトラブルを解決に導く原動力になる。
松村の担当はデジタル顕微鏡の画像・動画処理ライブラリの設計・開発。この分野はパフォーマンスが重要だ。処理のボトルネックを調べ、アルゴリズムの高速化や並列化処理を施していく。「周囲の予想を超える劇的な高速化ができた時は、思わずガッツポーズが出ます」と言うが、単に技術的な高速化だけが仕事ではなく、積極的に商品仕様にも踏み込んでいく。パフォーマンスの最大化は、仕様を実現する仕様実装者として頑張るだけでは実現しないため「この処理を省くと見た目が変わるけれど、レスポンスは倍以上良くなる、やってみたら?などと、人の仕事分野にも口を出します。これができるのは“皆で議論して一緒に作る方が良いものができる”という考え方が共有されているから。仕事の話ばかりですが、オフィスではいつも楽しそうに議論する人の声が飛び交っていますよ」。
作ったライブラリはアプリに組み込んでもらうため、インターフェースの使いやすさやデバッグのしやすさにも気を配る。「常に自分なりの100点を目指していますが、精進には終わりがないですね」と松村。

開発した商品がお客様のもとに届いて喜んでいただけることが、松村にとって最大の喜びだ。加えて、自分の仕事のアウトプットが他の人のインプットに繋がったり、全員が一体となってひとつの商品を作り上げていく高揚感を感じることも、喜びややりがいに繋がっているという。「大きなトラブルが起こった時、メンバ全員で解決に向けて突き進む文化祭前夜のような一体感も実は楽しかったりします」。
楽しくも厳しい経験を通じ、自らの中に育まれた 『なんとかなる、なんとかする』スピリット。
ソフトエンジニアとして活躍する今があるのは、入社間もない頃の経験にある。仕事の負荷が上がり、納期遅延を起こしかけたのだ。「今思うと一人で抱え込み過ぎていました。当時は自分でなんとかすることが重要なのではなく、チームの力を借りてでも結果を出すことが重要であるという『情報共有』の考え方を理解できていなかった。今となっては良い経験だったと笑えますが、当時は苦しかった」。

さらに思い出深い開発もある。ある大規模商品の開発で、なぜか一日に1回程度OSクラッシュが起こるという現象への対処する必要に迫られた時のこと。カーネルのメモリ解析の結果、OSが使う領域に不明な異常値が書き込まれていることが判明した。この異常値を見て、カメラの撮像データが誤ってOS保護外の領域に書き込まれているのではないかという仮説を立て、カメラデバイスのDMA処理に不具合があることを突き止めたのだ。見事に問題を解決した松村は、解決へのプレッシャーよりも、対処中に松村を責めるような雰囲気が皆無だったことに驚いた。「当時のリーダーの懐の深さに感謝しましたし、この経験で『なんとかなる、なんとかする』スピリットが身に付きました」。
プロジェクト全体を見渡せる視野を獲得するため、 チームの成果を最大化する役割に挑戦する。
アーキテクトとして活躍する松村。今はプロジェクト全体を見渡す広い視野が求められるマネージャの役割に挑戦している。「これまでは担当業務の性能や品質を深く究めることに関わってきました。今後は、これまでの経験や知識を生かしながら、仕様検討、メンバーの育成、プロジェクト管理など、チームの力を最大限に引き出したり、生かすことに意識を集中していきます」。

もちろん仕事だけではなくプライベートの充実も欠かせない。「年に数回、家族でキャンプに行くのが楽しみです。妻がキャンプ場を予約してくれるので、当日までどこに行くかは知らないこともあります。キャンプのワクワク感が自身の仕事と遊びのスイッチを切り替えてくれます。澄んだ空気の綺麗な星空を見ると、気分が一気にリフレッシュしますね」。
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