光学/構造/機構開発
世界初に立ちはだかる高い壁を突破する原動力は、濃密な議論と高い目標設定。
光学/構造/機構開発(エンジニア)
平林 龍太郎
平林 龍太郎
高い目標設定と当事者意識。
一人ひとりの意識が環境を作る。
前職で研究系の仕事に携わっていた平林。仕事には満足していたものの、30歳を過ぎてから自身の仕事が世の中に何らかの形で影響を与えるには長い時間を必要とすることに対し、「自身のアウトプットがもっと早く世の中に貢献するという成果を見たい」という想いがあった。
そんな折、キーエンスへの入社を決意したのには2つの理由があった。ひとつは学生時代や前職でセンサを自作する機会があり、キーエンスの商品や技術が身近に存在していたこと。そしてもうひとつは、面接を担当した社員や見学した職場の雰囲気がとても良く、「こういう人たちと仕事をしたら楽しいかも」という印象を持てたことだった。
実際に入社してみると「少人数ながら活気よく意見を交わす職場」で、入社前に感じた印象は間違っていなかった、と平林。キーエンスらしさを感じたのは、社員一人ひとりの意識。「自分たちで立てた質の高い目標を実現しようとする意欲と当事者意識の高さを感じました。たとえ想定外のトラブルがあっても、何とか当初の目標が守れないかと活発に議論するのがキーエンスらしさなのだと、仕事に慣れるにつれて理解するようになりました」
そんな折、キーエンスへの入社を決意したのには2つの理由があった。ひとつは学生時代や前職でセンサを自作する機会があり、キーエンスの商品や技術が身近に存在していたこと。そしてもうひとつは、面接を担当した社員や見学した職場の雰囲気がとても良く、「こういう人たちと仕事をしたら楽しいかも」という印象を持てたことだった。
実際に入社してみると「少人数ながら活気よく意見を交わす職場」で、入社前に感じた印象は間違っていなかった、と平林。キーエンスらしさを感じたのは、社員一人ひとりの意識。「自分たちで立てた質の高い目標を実現しようとする意欲と当事者意識の高さを感じました。たとえ想定外のトラブルがあっても、何とか当初の目標が守れないかと活発に議論するのがキーエンスらしさなのだと、仕事に慣れるにつれて理解するようになりました」
妥協なき性能を探求した結果、
世界初の商品を開発する決断に。
キーエンスでは各種顕微鏡の開発に携わり、今はマイクロスコープの開発に取り組んでいる。4K画質のマイクロスコープ開発で、光学・構造設計を任された時のこと。構造設計では光学性能を十分に引き出すことが求められるため、光学知識も必要となる。ここで平林は、今までのマイクロスコープは光学性能よりも使い勝手を優先して倍率を自由に変えられるズームレンズ方式を採用していたが、固定焦点レンズをレボルバで切り替える方式へ大転換する取り組みに挑戦することとなる。
「ズームレンズ式からレボルバ式への転換は、開発当時はまだ全メーカーがズームレンズでしたから、根本から考え方を変えて取り組まなければなりませんでした」。
レボルバ方式でもズームレンズと同等かそれ以上の使い勝手の商品を提供する必要がある。また、レボルバの電動化による自動切換やレンズごとの位置ずれを抑える光学調整や、多くのレンズ群を組合せても4Kの解像度が得られる誤差の振り分けも重要となる。もちろんレンズ単体の性能は目標より高い解像度を実現し、組立誤差を加えても目標解像度に収まるように設計していくことが求められる。こうした困難を実現する上で重要なのが、組立工程ごとに性能を定義し、その定義通りか測定できる環境の構築だ。「キーエンスはファブレスシステムを敷いているので、測定装置はキーエンスで準備して協力工場に貸与することで量産品質を担保しています。レンズの解像度を測定する上で必要となる、ミクロン単位のオーダーを簡単に調整する治具やシステムは、特に難易度が高く、大事な開発要素でした」。
「ズームレンズ式からレボルバ式への転換は、開発当時はまだ全メーカーがズームレンズでしたから、根本から考え方を変えて取り組まなければなりませんでした」。
レボルバ方式でもズームレンズと同等かそれ以上の使い勝手の商品を提供する必要がある。また、レボルバの電動化による自動切換やレンズごとの位置ずれを抑える光学調整や、多くのレンズ群を組合せても4Kの解像度が得られる誤差の振り分けも重要となる。もちろんレンズ単体の性能は目標より高い解像度を実現し、組立誤差を加えても目標解像度に収まるように設計していくことが求められる。こうした困難を実現する上で重要なのが、組立工程ごとに性能を定義し、その定義通りか測定できる環境の構築だ。「キーエンスはファブレスシステムを敷いているので、測定装置はキーエンスで準備して協力工場に貸与することで量産品質を担保しています。レンズの解像度を測定する上で必要となる、ミクロン単位のオーダーを簡単に調整する治具やシステムは、特に難易度が高く、大事な開発要素でした」。
多様な強みを持つメンバとの議論こそ、
前人未踏の高い壁を突破する原動力。
実際に設計を始めてみると、レボルバでレンズを切り替えるとピントや視野がズレるという問題が発生。平林は気が遠くなるような多数の要因が存在する中、ひとつひとつ分析し特定していった。ひとつは倍率ごとに重量の違う対物レンズをレボルバで回転させると重心が移動して微小なたわみが発生してピントをずらしてしまうこと、そしてもうひとつはカメラ調整に必要な測定精度が不足し、調整者によって精度がばらつくことが問題の要因となっていた。
そこで、それぞれを解決するために修正することに。「前者は回転する直動ガイドの組付け最適化、ボックス構造を採用して強度を向上させる修正を行いました。後者は、別チームが開発した測定機を流用することで測定精度を1桁上げ、誰でも調整できる治具にしました」。これらの修正や工夫が功を奏し、見事に4K画質を持つマイクロスコープを完成させた。
日本のものづくりの多くが、精度や調整は工場にいる職人の技術に頼るケースが多いが、工場を持たないキーエンスにはその部分がない。だからこそ、さまざまな知識や技術を持つメンバが議論を重ねながら『バランスの取れた設計』で、高い精度や新しい技術を実現していく。平林も「開発メンバ全員がどう実現するかを考え、『ここはメカで頑張ろう』とか『ここはシステムで対応しよう』と実現に向けて議論を重ねます。全員で作りあげるから、バランスよく高精度な商品を実現できた時は、大きな達成感があります」
そこで、それぞれを解決するために修正することに。「前者は回転する直動ガイドの組付け最適化、ボックス構造を採用して強度を向上させる修正を行いました。後者は、別チームが開発した測定機を流用することで測定精度を1桁上げ、誰でも調整できる治具にしました」。これらの修正や工夫が功を奏し、見事に4K画質を持つマイクロスコープを完成させた。
日本のものづくりの多くが、精度や調整は工場にいる職人の技術に頼るケースが多いが、工場を持たないキーエンスにはその部分がない。だからこそ、さまざまな知識や技術を持つメンバが議論を重ねながら『バランスの取れた設計』で、高い精度や新しい技術を実現していく。平林も「開発メンバ全員がどう実現するかを考え、『ここはメカで頑張ろう』とか『ここはシステムで対応しよう』と実現に向けて議論を重ねます。全員で作りあげるから、バランスよく高精度な商品を実現できた時は、大きな達成感があります」
自分の強みを磨き続け、 後輩の成長を支えることで、キーエンスでの未来をもっと楽しく。
平林は「今後も開発の最前線で新しい技術・商品の開発に挑戦したい」と語る。さらに「自分の強みを絶えず磨き続けながら、若手社員の成長にも影響を与えたい」とも。自身がキーエンスに入社して仕事の進め方に順応するまでに2〜3のプロジェクト経験を要しただけに、後輩には最初に経験するプロジェクトから実力を発揮してもらえるようサポートしていきたいと考えている。「成長した後輩が一緒にアウトプットの質を上げてくれた時、今以上に嬉しい気持ちと楽しい気持ちが生まれるんでしょうね」。
「休日はロードバイクで大阪北部の山々を走破しています。大阪は都会ですが海も山も近い。自然の中でリフレッシュできる場所が多く、オンもオフも充実しています」。
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「休日はロードバイクで大阪北部の山々を走破しています。大阪は都会ですが海も山も近い。自然の中でリフレッシュできる場所が多く、オンもオフも充実しています」。