仕事と人を知る
 
高崎量子応用研究所管理部経理・契約課(取材当時)
入構 年度平成28年度
現在の部署名高崎量子応用研究所管理部経理・契約課(取材当時)
卒業学部・学科理学部生物分子科学科卒(学部)、理学研究科生物分子科学専攻修了(博士課程前期)
志望動機を教えてください。
大学卒業後は、実験器具などを専門に扱う機器メーカーに就職し、開発職として従事していました。働く中で次第に“研究者”として開発を行うのではなく、研究者をサポートする側に回りたいと思うようになり、QSTの事務職へと転職しました。QSTとの出会いは大学時代に遡ります。QSTは、平成28年に放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構の一部が統合した組織です。私は大学時代、当時の放射線医学総合研究所を見学させてもらったことがあり、そこで放射線医学などの研究に興味を持ったことが一つのきっかけです。
現在携わられているお仕事の内容を教えてください。
所属する管理部経理・契約課は、一般企業で言う、経理部門と調達部門です。企業とは異なり国の組織であることから、経理・契約業務それぞれ法令に基づく手続きや処理を踏まなければなりません。私が携わっているのは、経理業務です。職員の経費申請受理や、各種帳簿の記載など一般的なものから、共同研究や受託研究などに利用される「財源」と呼ばれる国からの交付金の予算管理なども行っています。経理と聞くと、ひたすら伝票と向き合うようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、実際の業務では多くの方々との協力が欠かせないので、人との関わりを大事にしています。
お仕事におけるやりがいを教えてください。
私はQSTに入構するまで、経理はもちろん、簿記の知識すら持っていませんでした。配属当初、専門知識を習得できるのか、ひたすら数字を見つめる地味な作業に退屈してしまうのではないか、という懸念があったのですが、そのようなことはなく、今では私の性にあっていると感じています。数字が“ビシッ“とあう最後の瞬間の達成感は気持ち良く、大きなやりがいとなっています。一方、私たち事務職は、研究職や営業職と異なり、結果が見えにくく、モチベーションを維持しづらい職種です。それでも大事な仕事であることには変わりありませんから、やりがいを持って業務に取り組むようにしています。
お仕事の中で心がけていることは何ですか?
経理はルーティン業務が多く、伝票や書類ばかりに目が行きがちですが、その先にあるのは「人」です。ですから、相手に対して何ができるのかを、相手の立場や目線で考えるように心掛けています。私は元々開発職であったこともあり、研究者の気持ちやプレッシャーは理解しているつもりです。そのため、事務作業の負担を軽くできるような処理を考えつつ、お互いに気持ちよく仕事ができるような着地点を、常に考えています。
QSTの事務職ではどんなキャリアを歩むことができますか。
QSTの事務職のキャリアは、一つの部署や分野の仕事を究めていくというよりも、様々な部署で経験を積み、幅広い視野で総合力を鍛えていく傾向が強いと思います。私の場合、部署は変わっていますが、入構後、長く経理の仕事に携わっていますので、広くQSTのことを知るためにも違う部署に異動できればと思っています。特に興味があるのは、経営企画部です。経理業務にも関わる「予算決め」において、どのような意思決定がされているのか理解することによって、経理業務のスキルを向上させることができると考えています。
QSTならではの働きやすさはどこにあると思われますか。
自身のスケジュールに合わせて、フレックスタイム制や在宅勤務を取り入れることができる。これはQSTならではの働きやすさだと実感しています。実際に、私の所属する部署でも積極的に活用されていて、私も週1程度利用しています。しかし、経理業務の性質上、紙処理も多いので、難しさも感じています。伝票については、電子化に向けて動き始めているので、いずれはほとんどの処理が在宅勤務で可能となり、より自由な働き方が可能となるのではないかと思います。
今後成し遂げたい夢や目標を教えてください。
私は、科学を通じて全ての人が安心安全で豊かに暮らせる社会に貢献したいと考え、QSTを志望しました。その意味で、(QSTで働いていることそのもので)すでに叶っていますし、毎日充実しています。休日よりもむしろ、仕事の日の方が楽しみなくらいです。
恵まれた環境の中、今年初めて昇進することができたので、今後は新たなビジネススキルを身につけながら、積極的にリーダーシップをとり、周りにも目を向けていきたいです。そして、優しく教えてくださった先輩方のような、穏やかで優しい、けれども仕事はバリバリこなせるような人材へと成長していければと思っています。