インタビュー
ミッションは、
生成AIの活用で
八十二銀行を変えること。
和田 大宗
システム部
システム企画(AI推進)2022年10月入行
※部署名や記事内の内容は取材当時の情報です。
Chapter01入行動機・入行後の流れ
「データで戦う組織」というフレーズが響いた
高専ではコンピューターサイエンスを学びました。しかし卒業のタイミングで、自分がやりたいことがわからなくなってしまい、一度立ち戻って自分が得意な物理を突き詰めようと決意。大学に編入し、大学院までの4年間物理を専攻しました。新卒では、農薬の化学メーカーに研究職として就職。千葉県内にある研究所にて、コンピューターシミュレーションや画像解析、AI、統計分析を利用して有効な化合物を見つける作業の効率化・高度化に取り組んでいました。2年半ほど勤めましたが、将来のことを考えると地元の長野に戻るのがベストだと判断し、転職活動を開始。そんな中、『八十二銀行がAI開発と運用を内製化、顧客支援も「データで戦う組織」で挑む』という記事をインターネットで見つけました。県内企業では珍しくAI開発の内製化に踏み切っていることに加え、「データで戦う組織」というフレーズに心を動かされて応募しました。面接で「AI推進チーム(現AI推進室)が立ち上がったばかり」という話を聞いて、ワクワクしたのを覚えています。
ただ、未経験の業界なので、多少の不安もありました。入行後は、わからないことはとにかく聞くように心がけ、会社のルールや環境に慣れるために率先してコミュニケーションを図りつつ手を動かすようにしていましたね。他部署の方とのミーティングでは、上司が色々とフォローしてくれたおかげでスムーズに馴染むことができたと感じています。
Chapter02仕事内容・入行後の変化
生成AI領域で業務効率化やマーケティングの可能性を模索
現在、システム部のAI推進室の中で、生成AIサブチームのリーダーを任されています。生成AIサブチームのミッションは、当行が蓄積しているデータと生成AIを組み合わせて業務効率化や高度なマーケティングの可能性を模索すること。例えば、お客さまから融資のご相談を受けたときに、経験の浅い行員でも「何を質問すれば良いのか」が瞬時にわかるような仕組みを実現できないか。また、これまで行員一人ひとりが蓄積してきた情報をまとめ、生成AIを使ってお客さまからのニーズを要約し、最適な商品を提案できないか。そうした環境の構築に向けて、今現在はChatGPTに加工したデータを解釈させるための技術検証を行っているところです。生成AIはまだ黎明期とも言える分野なので、明確な正解がない中でトライアンドエラーを繰り返しながら模索しています。
業務を進める中で、常に意識しているのは「何に利用するのか」ということです。いくら構築したAIの精度が高くても、施策の方法が有効なものでなければ、その力を十分に発揮できません。施策とAIが噛み合ってこそ、価値のある効果を生み出せると考えています。前職時代から実際の施策を意識してデータ分析を行ってきましたが、当行に来てからその点をより気をつけるようになりました。
Chapter03仕事のやりがい・今後の目標
マーケットとの距離が近く、自分の貢献度が見える
やりがいを感じるのは、データをもとに仮説を立ててモデル化し、実際に施策を行った結果、期待通りの効果となったとき。前職時代は研究職ということもあってマーケット(市場)から遠い場所にいる感覚でした。そのため、自分が業務を通じて「何に貢献できたのか」という実感をあまり持つことができませんでした。一方、現在はマーケットから非常に近い距離にいます。自分が手がける施策が行員の業務や事業にどんな影響を与えるのか明確に想像できるため、自分の貢献度が見えやすいと感じています。
これまで一番印象に残っているのは、入行後に初めて取り組んだ不正検知分野のAI構築です。前任者から引き継ぐ形でスタートしましたが、不正自体が頻繁に起こるものではないため予測のモデルを組みにくく、私が加わった当時は構築に難航している状態でした。しかし私は前職の化学メーカー時代に、実験結果という少ないサンプルデータをもとに精度の高いAIのモデルを構築する経験があったため、そのスキルやテクニックを応用して無事に完成させることができました。AIで一つ検知できたらインパクトが大きいというのも、前職と似ていて親近感を覚えましたね。入行後すぐにやりがいを実感できる機会となりました。
目下の目標は、プロジェクトマネジメントスキルを磨くこと。現在リーダーを任されていますが、リーダー経験が浅いため思うようにいかないときも少なくありません。周囲の上司やリーダーたちの進め方を見ながら、学んでいきたいと考えています。また、技術的な面では常にスキルアップを目指しており、現在は統計検定1級の資格取得を目標にしています。試験に合格できるよう今後も精力的に勉強に取り組みたいと思っています。
Chapter04行内の雰囲気・地域の魅力
心理的安全性が高く、コミュニケーションが活発な職場
会社の魅力を挙げるとすると、雰囲気の良い点が真っ先に思い浮かびますね。部署内外問わずフレンドリーな人が多く、質問にも気軽に応じてくれる方ばかり。とても心理的安全性の高い職場だと感じています。行内全体でコミュニケーションが活発な社風ですが、システム部は特に会話が多いと思います。ミーティングの場はもちろん、日常的にデスクで作業をしながら、施策について「理想はこうだよね」「分析方法だったらこうだよね」といった意見を交わしています。チーム内で活発に行われているディスカッションや定期的な勉強会の場が、仕事へのモチベーションを高めてくれています。
働くスタイルも、前職の頃とは大きく変わりました。以前は自宅から勤務地まで往復2時間以上かかっていましたが、現在は自転車で片道10分弱。休日は基本的にインドア派なので料理や掃除などをして過ごすことが多いものの、ときには昔から気に入っている善光寺に出かけることもあります。一度県外で暮らしたからこそ、長野県の景色の素晴らしさや魅力をより認識できるようになったと感じています。