虎のつぶやき
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哲学~功利主義~
2024/03/25(月) 09:14:00
功利主義を簡単に説明すると、みんなにとって良い判断が一番良いという考え方です。
個人にとって都合が悪かろうが社会にとってプラスであれば、
個人の損失は意に介さないのです。
これは正しいのでしょうか。
現代の社会には少数派の方々の意見が少しずつ反映されるようになって来ました。
性的マイノリティ、移民、難民、アイヌ民族などの少数民族etc...
もはや功利主義は通用しない世の中になったと言っても過言ではないかもしれません。
ならば社会にとって損失でも、少数派の意見を尊重し続けるべきでしょうか。

都内の一等地に広大な土地があると仮定します。
その土地はうまく活用されておりません。
インバウンドが盛んな今なら、商業施設やホテルを建てれば大きな
利益を得られるでしょう。
地主はその土地を手放したくないと考えております。
この場合、行政が立ち退きさせて無理やりにでも開発すべきでしょうか。
地主の意向を尊重すべきでしょうか。

少数の意見を聞きすぎると競争力が落ちるのです。
党の意向が反映されやすい独裁に近い国家との開発競争に勝てますか?
難しいのが現実です。
全員にとっての正解などほとんどありません。
押し切るのか、お金で解決するのか、地主が亡くなるまで待つのか=時間による解決
どうするのかは人によるでしょう。

会社によくあることですが、社員が個人の利益を追いかけているので、
会社は本来の力を発揮できない事が往々にしてあります。
会社の利益になることが、個人の利益になるような仕組みが必要でしょう。
全体と個の利害というのは一致しないことが多いのですから。

次回予告 多様性は必要か?
重大発表
2024/03/15(金) 09:45:00
本日は予定を変更してお知らせがございます(^^♪
インスタグラムを始めさせていただきました!!!!
アカウント名はtigergroupsaiyouです(≧▽≦)
これからどしどし写真をアップしていきますので、
皆様どうぞよろしくお願い致します。
哲学~トロッコ問題~
2024/02/24(土) 09:45:00
本日は哲学の中でも有名なトロッコ問題について書きます。
そもそも哲学とは何でしょうか。
簡単に言うと、すべての?(はてな)に答えようとする学問です。
答えられる必要はありません。
考えることが重要なのです。

本題に入ります。
制御が効かないトロッコ。進む先には、5人の作業員がいます。進行方向を変えるレバーの前に立つあなた。レバーを引けば線路が切り替わり5人を救えますが、今度は切り替えた先にいる1人の作業員が犠牲になってしまいます。
あなたはレバーを引きますか?

当然引くと考える方が多いかもしれません。
引くと一人を殺すことになるので、責任を負いたくないから引かない
という方もいるかもしれません。

少し深めてみます。
5人の死刑囚とひとりの善良な市民だった場合はどうですか?
答えが変わった方も多いのではないでしょうか。
人の命に貴賤はないのでしょうか。
きれいごとでは片づけられない本性がここから発見できます。

この問題は非常に重要な問題提起をしてくれます。
あなたは自動車会社の開発部門責任者だと仮定します。
自動運転システムを搭載した車を開発しています。
急ブレーキでも間に合わない場合、人をひき殺して乗車している人を
助けますか?
ハンドルを強制的に動かして崖があろうが関係なしによけますか?
乗っている人が死んでしまうでしょう。

子どもが急に出てきたときはどうでしょう。
右にはお年寄りがいます。左には若いサラリーマンがいます。
そのまま行けば子どもをひき殺してしまいます。
この場合どのように動くよう、車のプログラムを開発しますか?
あなたの答えを出してみてください。
私の答えは、ゴルフ場のカートのように徐行しかできない車を
提案します。恐らく降格されるでしょうが仕方ないと思います。

このように哲学とは、正解のない問題について考察することです。
余談ですが、哲学は英語のPhilosophyの訳語ですが、
明治や幕末には「愛知」と訳されることもありました。
哲学とは知を愛することなのです。
なので哲学者は愛知者と訳されていたこともあります。

次回予告 哲学~功利主義~
利休七則
2024/02/18(日) 09:45:00
ある日千利休の弟子が、質問をしました。
「茶道において重要なことは何ですか?」
利休は答えました。

夏は涼しく冬は暖かに
降らずとも雨の用意
刻限は早めに
炭は湯の沸くように
茶は服の良きように
花は野にあるように
相客に心せよ

弟子が言います。
「そんなことは当然です。私でもできます。」
利休が言います。
「ならば私はあなたの弟子になります。」

当たり前のことを、当たり前にやることがどれほど難しいか。
一流の人間には痛いほどよくわかるのでしょう。

日常の中でどれほど「普通」でいられてますか?
結婚して、一軒家を建て、収入も安定していて、
子どももいて、夫婦仲睦まじい・・・・
これらを他人に求めるのがどれほど残酷か。
普通はとても難しいのです。

仕事においても言えることです。
お客様を楽しませる。
たったそれだけのことです。それが非常に難しいのです。
日立市はかつて、県内で最もパチンコ店の多い市町村でした。
現在ではどうでしょう。多くのお店が閉店しました。
全国的にもそうです。
利休の教えを胸に、今日も当たり前に挑戦し続けております。

次回予告 哲学~トロッコ問題~
日本庭園とガーデニング~東西の庭の違い~
2024/02/10(土) 09:50:00
日本には龍安寺石庭など美しい庭園がたくさんあります。
西洋にもガーデニングという文化があります。
どちらも甲乙つけがたいですが、両者には決定的な違いがあります。

ガーデニングは木をきれいに切り、ベルサイユ宮殿にみられるように
バラが法則性をもって咲いていて、芝が広がっています。
人間の理想の形に草木を作りあげるのです。
つまり、自然を支配して出来上がったものです。

日本庭園も、もちろん人の手が加えられます。
しかし、石の配置や苔、木々のあり方は人工的
というより自然な雰囲気があります。
季節ごとに全く違う味わいがあり、落ち葉でさえ
美しさがあります。
自然との調和がそこにはあるのです。
和室から見た庭園は、一期一会の絵画のようです。
雪が降り、草木が枯れていく中にも美しさのある、
わびさびが表現されております。

このような美意識は西洋にはない、日本独自のものです。
春に咲いた花が希望をもたらすのです。
飛び回る虫の声が生命力を感じさせるのです。
落ち葉が儚さを見せてくれるのです。
凍った池と裸になった木々が、終わりと次の始まりを教えてくれます。

日本庭園の美しさは、すべてをただちに理解できるものではなく
時間の経過とともに深まるのです。
まるで人間のようだとはおもいませんか。

次回予告 利休七則