虎のつぶやき
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デカルト二元論2
2023/10/26(木) 09:13:00
前回のつづきです。
感情を排除し、理性によって対象化して客体を観察するという
表現がやはり少しわかりずらそうですね。
理科の実験を思い出してください。
植物がどう育つか、酸素の中に火を入れるとよく燃えるなど。
そこには感情は必要ありません。観察によって得た客観的事実のみが
重要です。
中世までは神様がどういう教えをくれたかが大事ですが、近代は
そうではなく観察から得た事実が優先されます。
そしてこれが科学です。
その結果ヨーロッパでは科学技術の発展により産業革命が起き、
世界を席巻します。
しかし、問題もありました。イギリスでは公害や社会病理が蔓延し
町には子どもたちがあふれていました。
二酸化炭素が大量に排出され地球温暖化や環境汚染が各国で起きるようになりました。
科学の弊害が起きているのです。
この状況を超克できるか、世界の終焉を迎えるかは我々にかかっています。

次回予告 個人主義と集団主義~日本と欧米の違い
デカルト二元論~世俗化の過程~
2023/10/20(金) 09:12:00
本日は現在の科学の基本となるデカルト二元論(物心二元論とも言います)を
紹介します。
まずは中世のヨーロッパがどのような世界だったかを知るところから始めます。
一言でいうとWE LOVE THE GOD です。
キリスト教大好きな世界です。
この世のすべてはキリスト教的世界観で理解されていました。
ガリレオが地動説を唱えても宗教裁判で否定されるのです。
事実よりも宗教がとても大事だったのです。
しかし、色々と研究していく過程でおかしなことがたくさんあることに
気づくのです。
神が人間を作り、この世界を作ったのですから地球が宇宙の中心だとされていました。
にもかかわらず、天体観測をすると太陽の周りを地球が回っているのです。
コペルニクスの主張でようやく地動説が受け入れられました。
このように宗教を中心とした思想から脱却することを世俗化といいます。
では宗教の後は何を中心に世界と向き合うのか。
それがデカルト二元論です。

感情を排除し、理性によって対象化して客体を観察するのです。
難しい表現なので簡単な例を出します。
お付き合いしている相手がいるとします。
最近マンネリになってきました。
その時に出る「しばらく距離をおこう」がまさに対象化です。
つまり、今まで好きという感情が最優先されてきましたが、
距離を置いて恋人を客観的に観察してこれからも関係を続けていくか
考えることです。
こうすることで、相手を冷静に評価するのです。
中世では神様大好きな世の中でしたが、これからは距離を置こうとなったのです。

長くなりそうなので今回はここで一旦切り上げて続きは次回とします。
10/15(日)タイガーグループ総付け景品配布!!!
2023/10/04(水) 09:51:00

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国民国家~20世紀末の悲劇~
2023/09/29(金) 09:41:00
最近教養を深める内容ばかりになっておりますが、ご容赦ください。
本日は今を生きる上で知っておかねばならない内容にします。
国民国家が何かというと、英語のNationの訳語です。
辞書を引くと、国家、国民国家と書かれています。
この二つの言葉の意味の違いは何でしょう。
国家はそのままの意味です。国という意味ですね。
国民国家はさらに深い意味があります。

簡単に言うと一つの言語を使い、一つの民族で構成されている、一つの国家のことです。
これはよくあることですか?全くそうではありません。
ベネディクト・アンダーソンは「空想の共同体」と述べております。
例えば日本。一つの民族で構成された国家ですか?
北海道にはアイヌ民族がいます。沖縄には琉球王国がありました。
日本も多民族国家です。世界中に単一民族国家はごくわずかしかありません。
しかし、ヨーロッパでは一つの民族で国家は構成されるべきという考え方があります。
それがユーゴスラビアで悲劇を起こすことになります。

バルカン半島は昔から紛争の多い地域です。色んな民族が同じ国の中で
生活していることや、オスマン帝国やオーストリア=ハンガリー帝国の支配を受けてきた歴史もあるからです。
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国のなかで大きな勢力を持っていたセルビアが、コソボを併合しようとします。連邦制の中で一つの自治州(国家)として独立していたコソボにとって、受け入れがたいものでありました。なぜなら国民国家であることを望むからです。そして起きたのが民族紛争なのですが、その実態があまりに悲惨なのです。
民族浄化という言葉をご存知でしょうか。
例えばAという民族とBという民族がいます。
AがBの男性を皆殺しにして、Bの女性にAとの間にできた子どもだけを
妊娠、出産させます。そうすれば、民族Bはいなくなる。
これが民族浄化です。考えるだけで恐ろしい、狂気を超えた狂気。
これが20世紀末のヨーロッパに実在した思想です。
言うまでもなく多くの犠牲者を出しました。

たかだか30年くらい前の話です。今は昔ではありません。
この事実を知る義務が我々にはあります。

次回予告
デカルト二元論~世俗化の過程~
新自由主義
2023/09/25(月) 09:42:00
経済の歴史を紹介するシリーズも最後になります。
現在の姿である新自由主義について解説します。
郵政民営化、国鉄民営化、派遣労働者の待遇の変化・・
国家が運営していた事業が民間企業の手に移り、
民間企業への規制が緩くなりました。
これで産業の発展が見込めるという風潮の元
たくさんの改革が行われました。
皆さん、豊かになりましたか?
あまり実感はないと思います。
企業は営利団体ですから労働者を守るよりも利益を優先しがちです。
派遣切りが横行したり、リストラや外国へ資金が流れることが多発しました。
結果、労働者は以前よりも仕事に就きにくくなり、条件が悪くても
就労せざるを得なくなりました。
ここに貧富の格差が決定的となり、一億総中流の終焉を迎えます。
増税や収入の減少で年老いても働き続ける
必要も出始めてます。
取り返しのつかない失敗だといえるでしょう。

お気づきでしょうか。
重商主義から始まり、国家による規制→自由主義→ケインズ経済学の規制→新自由主義と来てます。
となれば次に来るのはまた規制の時代だと予想できます。
それがいつなのか、どのような結果をもたらすのかひそかに楽しみにしています。
経済学はこれで終わりとします。

次回予告
国民国家~20世紀末の悲劇~